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お知らせ
<2016年 3月12日 更新>
かなり久しぶりの更新です。 2015年度の指導も終わったのでここで2016年度の生徒の募集をしたいと思います。 募集の対象は全国の中学生、高校生です。 募集要項や私の指導例などの詳細はこちらのページへどうぞ。

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大学受験の勉強方法 「第3回 受験勉強の流れと戦略」

女子高生_合格はちまき2

大学受験の勉強、第3回は「受験勉強の流れと戦略」についてです。大学受験を成功に導くには、スタートからゴールまでの大きな流れを抑え、それにあった戦略を実行することが必要です。その第一歩として「受験勉強をいつからはじめればいいのか」ということを考えなければなりません。今回は受験勉強のおおまかな流れと、どのように勉強していけばいいのかについて記事にしました。

コンテンツが多いので先に何を書くかまとめておきます。

■扱う問題レベルの分類
受験勉強で扱う問題のレベルを相対的に分類しました。以降の項目を読む上で必要になる予備知識です。

■受験勉強をいつから始めるか 事例編
私の経験からいくつかの事例を挙げて、受験生のタイプについて書いてあります。

■受験勉強をいつから始めるか 分析編
事例編で挙げたことをもとにした志望校合格の可能性を高める方法についての分析が書いてあります。

■受験勉強をいつから始めるか 回答編
以上の項目のまとめとして「受験勉強をいつから始めるか」についての回答とそのポイント、いくつかの目安を示してあります。




<扱う問題のレベルの分類>

受験勉強を語る上でまずは「扱う問題のレベル」を分類しなければなりませんが、これは人によって異なるのは言うまでもありません。なのでここでは以下のように定義します。


レベル1:幅広い基礎知識(小学校〜ⅠA基本)(*)
レベル2:レベル3を理解するのに必要な知識
レベル3:志望校合格に必要な最低難易度
レベル4:志望校合格に必要な最大難易度


(*)レベル1のⅠA基本については旧課程:集合と論理、命題、新課程:データの分析、集合と論理、命題、整数の性質はそれぞれ除いてもOK。どれも他の単元との関連性が比較的低いので優先度は低いからです。またレベル1でも小学校レベルからやりなおさないといけない場合もあれば、高校内容からの場合などかなり幅が広いです。私はレベル1の層を扱うことが多いのですが、全体としてレベル2からスタートする人が一番多いのでそれより下は例外的な扱いであるからです。新課程と旧課程の科目・範囲については次回以降の記事で書く予定です。


人によって目指すレベルが異なるので上で示したレベルは相対的なものになります。早慶大を受ける人と東海大を受ける人のレベル4は明らかに異なります。ただしレベル1だけは具体的に小学校〜ⅠA基本レベル(*)と定義することが可能です。このレベルまでは最低限必要になるからです。Ⅰのみの人もごくまれにいると思いますがここではⅠAをベースとします。ここでⅠA基本というのは基礎問題集の標準レベルの問題です。基礎問題集である4STEPであればstepAの問題です。


受験生にとって、この分類自体はある程度納得できるものだと思います。しかし、具体的にどの問題を優先的にやればいいのか、いつまでに何をやればよいかは別の問題です。塾・予備校に通う利点の1つはここにあります。塾・予備校の活用術については次回以降の記事で書く予定です。












高校1・2年生の中に人は「いつから受験勉強をはじめたらいいのか」と考えている人もいると思います。それを決めるにはまずゴールを決めておかないといけません。どのレベルまでを最終目標とするのかを決め、その次はスタート地点を判断します。志望校・学部・学科はどこか、今の学力はどの程度かを決めてはじめて「いつ受験勉強をはじめるのか」という問いに答えることができます。



ここは色々なことを考慮して答えを出さなければいけないので、先に考慮すべきことを項目別に整理しておきます。

■受験勉強をいつからはじめるか 事例編
大学受験生のいくつかの事例を挙げます。自分がどのタイプなのか、どのタイプが良さそうかなどを考えながら読み進めると良いと思います。面倒だと思ったら戦略編から読んでもかまいません。

■受験勉強をいつからはじめるか 分析編
事例編で挙げた事例をもとに「志望校合格の可能性を上げるにはどうしたらいいのか」という戦略を考えます。この戦略から「いつ受験勉強をはじめるか」に対して回答するためのヒントも見えてきます。

■受験勉強をいつからはじめるか 回答編
事例編、分析編をふまえて「受験勉強をいつからはじめるか」の回答を書きます。全部読むのがめんどくさいという人は最初にここを読んでからその根拠となる事例編や分析編を読んでもいいと思います。






<受験勉強をいつからはじめるか 事例編>

私の経験から具体例を挙げましょう。第1回、第2回で書いたことを基準にして、各項目の印は以下のように分けています。また印は受験勉強開始時のものです。

×:一般的な公立小学5、6年生レベル(レベル1からスタート)
▲:一般的な公立中学1、2年生レベル(レベル1からスタート)
△:一般的な公立中学3年生レベル(レベル1からスタート)
○:一般的な公立高校1、2年生レベル(レベル2)
◎:一般的な公立高校3年生レベル以上(レベル3からスタートできる)

かっこの中のレベルは前項の「扱う問題のレベル」です。








事例① 高校2年の3月スタート

■中学受験で私立中(高校偏差値50前半)合格→入学
■高校では下から成績2番目
■この時点でⅢCはほぼ未習(学校では少しやっている)
■性格:○
■スタミナ:○
■ノートの使い方:○
■テキストの使い方:△
■復習:△
■当初志望校:理系MARCH
■数学:△
■英語:△
■現文:◎
■古典:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■物理:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■化学:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■生物:高校2年以降選択していない
■他の科目:ほぼ0

受験勉強はじめるまで2年間部活しかやってなかったらしいです。最初の授業が終わったあとに「理系は無理だから、文転しよう」と告げました。このレベルから数ⅠAⅡBレベル3をクリアするだけでも半年以上かかります。それに加えてⅢCを1からやり直すとなるとかなり時間がかかります。さらに、理科系がほぼ0なのも理由の一つです。数学だけなら十分目標クリアできるレベルにいますがそれ以外の要素も考え無理だと判断しました。また現文ができるのも文転を提案した理由です。古典は古文だけなら配点も少ないので半年もあればなんとかなります。

高校3年4月の時点で受験校を経済経営系に絞り、受験科目も英語、現文、古文、数ⅠAⅡBに絞りました。

この生徒は最終的に明治学院大学・経済学部・経営学科に一般入試で合格し入学しました。数学の偏差値は河合マーク模試で高2・1月センター同日:ⅠA43、ⅡB45→高3・12月センタープレ:ⅠA52、ⅡB55でした。








事例② 高校2年の2月スタート

■高校受験で私立高校(偏差値50前半ですがあまり参考にならないです)合格→入学
■この時点でⅢCはほぼ未習(学校では少しやっている)
■性格:▲
■スタミナ:×
■ノートの使い方:×
■テキストの使い方:×
■復習:×
■当初志望校:国立東京海洋大
■数学:▲
■英語:▲
■現文:×(読解力なし、語彙力なし)
■古典:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■物理:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■化学:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■その他の科目:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり



最初の授業が終わったときに「東京海洋大は99%無理、まずは勉強の仕方からスタートね」と言いました。見てわかる通り各科目のレベル以前に「勉強の仕方」がほぼすべてNGだったので、この時点でどの大学を目指すという段階ではありませんでした。本人は各大学のレベルやそれに対する自分の状況もまったく把握できていなかったので、それを理解してもらうことからスタートしました。

当初から海洋系に興味がありこだわりがありました。ある程度限界が見極められた高校3年の5月に目標を下げ、同時に受験科目も英語、数学ⅠAⅡB、物理に絞りました。

最終的にこの生徒は東海大学・海洋学部・海洋文明学科(代ゼミ難易度47)に一般入試・センターどちらも合格→入学しました。代ゼミ模試の偏差値は、高2・1月センター同日:ⅠA35、ⅡB38→高3・12月センタープレ:ⅠA47、ⅡB35でした。








事例③ 高校2年の2月スタート

■高校受験で私立高校(偏差値50前半ですがあまり参考にならないです)合格→入学
■高校での成績順位は下から2番目
■この時点でⅢCはほぼ未習(学校では少しやっている)
■性格:×
■スタミナ:×
■ノートの使い方:×
■テキストの使い方:×
■復習:×
■当初志望校:理系・日東駒専
■数学:▲
■英語:▲
■現文:×(読解力なし、語彙力なし)
■古典:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■物理:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■化学:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■その他の科目:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり



この生徒は私の経験の中でもかなり扱いが難しい生徒の一人でした。見ての通り「勉強の仕方」「性格」「学力」と大学受験に必要な要素のほとんどが最低レベルだったので、大学受験がどうのというレベルではありませんでした。まずは勉強の仕方から粘り強く指導していきました。この生徒は勉強のタームでいうと、センターまでずっとターム1と2を繰り返していました。その後にやっとターム3、4に入りました。

当初から理系に固執し続けセンターが終わるまで自分の客観的な評価を受け入れようとしませんでした。簡単に言うと、受験勉強を開始してから半年以上たった9月の時点で、ほぼ上記の初期条件のままでした。その後もほぼ変わっていません。センターを受け終わった後でまずいということを受け入れ、受験校を下げることに同意しました。最後はかなり精神的に追いつめられていましたが、それでも最後まであきらめずにやり通したのは偉いと思います。

最終的にこの生徒は関東学院大学・理工学部・情報ネットメディア(代ゼミ難易度43)に一般入試で合格→入学しました。代ゼミ模試の偏差値は、高3・9月マーク:ⅠA37、ⅡB28→高3・12月センタープレ:ⅠA35、ⅡB32でした。


「性格」についてはこちらを参照 → 成果が出やすい人 成果が出にくい人








事例④ 高校3年の8月スタート
■高校:通信制
■性格:○
■スタミナ:◎
■ノートの使い方:○
■テキストの使い方:○
■復習:○
■当初志望校:どこでもいいから大学入りたい(理系)
■数学:△
■英語:△
■現文:◎
■古典:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■物理:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■化学:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■その他の科目:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり



志望校は理系ならどこでもいいということでしたが、最初の授業をやる前に「間に合わないから理系はやめよう」と告げました。始めたのが遅いので残された時間で最大の成果を出すことを考えました。

高校3年の10月に受験校を経済・経営系に絞り、受験科目も英語、現文、数ⅠAに絞りました。

最終的には国士舘大学・経営学部・経営学科(代ゼミ難易度47)に合格→入学しました。代ゼミ模試の偏差値は高校3年9月センター模試第3回で数学ⅠA25、ⅡB32でした。以降はあまり意味がないので受けさせませんでした。








事例⑤ 高校3年6月からスタート
■高校受験で公立高校(偏差値50台真ん中ですがあまり参考にならないです)
■性格:△
■スタミナ:◎
■ノートの使い方:△
■テキストの使い方:◎
■復習:◎
■当初志望校:理系MARCH(物理、化学系)
■数学:○
■英語:○
■現文:◎
■古典:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■物理:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■化学:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり
■その他の科目:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり



第2回の指導例で書いた生徒です。

中学2年からほとんど日常の勉強をせずに、高校3年の6月に受験勉強をスタートしました。かなり頑固でこちらのアドバイスをすんなり受け入れるタイプではありませんでしたが、自己評価と客観的な評価にギャップがほとんどなく、かなりハードに勉強をできる生徒でしたので△としました。指示されたこと以上のことをどんどん自分でやっていくので指導は非常に楽でした。目標も明確で受験科目も当初から自分で、英語、数学ⅢCまで、物理、化学と絞り込んでいましたが、それは私が絞り込んでもほぼ同じになるものでした。

高校3年の8月の時点で受験科目を英語、数学ⅢCまで、物理に絞り込みました。受験校は最初から最後まで変えていません。

最終的には青山学院大学・物理数理学科(河合難易度ランク55)に一般入試で合格→入学しました。河合模試の偏差値は高校3年8月センター模試第2回で数学ⅠA38、ⅡB41→高3・12月センタープレで数学ⅠA50、ⅡB52でした。ちなみに記述の模試は一度も受けさせていません。理由はぎりぎりまで学力が伸びないと考え、受けさせる意味があまりないと判断したからです。








事例⑥ 高校2年2月からスタート
■通信制高校
■性格:△
■スタミナ:◎
■ノートの使い方:×
■テキストの使い方:×
■復習:×
■当初志望校:どこでもいいから大学へ入りたい
■数学:×
■英語:×
■現文:○
■古典:高校内容ほぼ0、中学内容もほぼ0
■物理:高校内容ほぼ0、中学内容もほぼ0
■化学:高校内容ほぼ0、中学内容もほぼ0
■その他の科目:高校内容ほぼ0、中学内容も抜けあり



高校3年の2月に受験勉強をスタートしましたが、それまでの指導はほぼ意味がなく私が5月から指導をすることになりました。事例④の生徒に似ていますが、より学力は低かったです。ほとんど勉強という勉強をしてこなかったので、当初の数学の学力、というより算数ですが、小5レベルでした。

最初の2ヶ月は小学校から数Ⅰまでの計算だけをひたすらやり続けました。その後中学レベルから数Ⅰまでの方程式→同・関数と進めました。学力は極端に低かったですがやる気と根性だけは人一倍あり、さらに言われたことは必ずこなしていました。多いときにはA4で150ページ以上の課題を一週間でやってきたこともあります。平均すると週に40〜50ページはこなしていたと思います。性格が△になっているのはメンタルが弱かったからです。

高校3年の8月の時点で受験校を経済経営系とし、受験科目も英語、現文、数ⅠAに絞り込みました。

最終的には帝京大学・経済学部・経営学科(河合難易度ランク35)に一般入試で合格→入学しました。上記の通り学力が著しく低かったため意味がないと判断し模試は一切受けさせませんでした。








何をもって「成果が出た」とするか

上記の事例は個人的には全て「良い成果が出た」といえる事例です。私にとって「良い成果が出た」というのは「ポテンシャルをどれだけ引き出せたか」です。絶対値ではなく相対値なのです。早慶大の合格者を出したからといってその生徒のポテンシャルを引き出したとは限りません。東大志望で十分可能性があったけど、早慶大までしか到達しなかった場合と、勉強開始時はMARCHも難しいかったけど早慶大に合格した場合とではどちらが良い仕事をしたと言えるでしょうか。

実は事例③の生徒は高3のある模試の理系カテゴリで全国で最下位になったことがあります。受験勉強をはじめるまでの数年間ほとんど勉強もせず、また他人のアドバイスや忠告も一切聞かずに過ごしてきました。受験勉強を開始してもその「悪い習慣」はなかなか直りませんでしたが、最後の最後にやっと気づきました。大学に入れたということよりも、そのことに気づく経験ができたのがこの人にとっては一番の成果だったと思っています。

事例⑥の生徒もとても高校生とは思えない学力でした。スタート当初は分数計算ができずなかなか先に進めませんでした。入試直前の12月でも小学校レベルの式変形ができないことがありました。また図形のスキルもなく勉強開始当初は二等辺三角形がなんなのかわかっていませんでしたし、「座標って何?」というレベルでした。そのレベルからよく大学に入れたとなと思います。

事例①や⑤の生徒は他の事例の生徒に比べるとポテンシャルは高かったです。その高いポテンシャルを決められた時間の中で最大限引き出せたという意味では他の生徒と同じように「良い成果が出た」と言えます。














<受験勉強をいつから始めるか 分析編>

上記の事例を表にまとめるとこうなります。少し手を加えてあります。「性格」から「復習」までの「→」の右側は最終的にどうなったかを表しています。比較するのに関係ない部分はカットしてあります。この表をもとに「受験勉強はいつ始めるのが良いか」と始めたあとのポイントを考えていきます。




事例① 事例② 事例③ 事例④ 事例⑤ 事例⑥
高校・偏差 私立高校50前半 私立高校50前半 私立高校50前半 通信制 公立高校50中 通信制
性格 ◯ → ◯ ▲ → △ × → ▲ ◯ → ◯ △ → △ △ → △
スタミナ ◯ → ◎ × → ◎ × → ◎ ◎ → ◎ ◎ → ◎ ◎ → ◎
ノート ◯ → ◎ × → △ × → × ◯ → ◎ △ → ◎ × → ◯
テキスト △ → ◎ × → ◯ × → △ ◯ → ◎ ◎ → ◎ × → ◎
復習 △ → ◎ × → ◯ × → △ ◯ → ◎ ◎ → ◎ × → ◎
当初志望校 理系MARCH 国立東京海洋大 理系・日東駒専 理系・どこでも 理系MARCH どこでも
開始時:数 ×
開始時:英 ×
開始時:現 × ×
その他の科目 ほぼ0 ほぼ0 ほぼ0 ほぼ0 ほぼ0 ほぼ0
受験勉強開始時期 2年3月 2年2月 2年2月 3年8月 3年6月 2年2月
当初偏差値 高2・1月センター同日 高2・1月センター同日 高3・9月マーク 高3・9月マーク 高3・8月マーク 受験せず
ⅠA43、ⅡB45 ⅠA35、ⅡB38 ⅠA37、ⅡB28 ⅠA25、ⅡB32 ⅠA38、ⅡB41
進路 明治学院・経済 東海・海洋 関東学院・理工 国士舘・経営 青山学院・理工 帝京・経済









受験生の成績推移

以下のグラフは仮想の受験生の成績の推移を、横軸に時期、縦軸に成績(10が志望校に到達したことを表す)、として模式的に表したものです。成績は最終結果をベースとし、模試の結果も目安にします。


成績推移2_html_4e15068d 



受験勉強をスタートしたのが仮に3年生の4月だとしましょう。生徒は全員同じ大学・学部・学科を志望しているとします。生徒A、生徒B、生徒Cのスタート時点での成績は同じ。生徒Dは少し高めとします。

生徒Aと生徒Bが志望校に合格したときのグラフで、生徒Bと生徒Cは残念ながら志望校合格できなかったときのグラフです。生徒Cが後半になって伸び悩む生徒のグラフを示します。BとDは同じような曲線ですがスタート地点での学力に差があります。

このなかで勉強がうまくいっているのはどの生徒でしょうか。順番をつけるとしたら、D、A、B、C、です。スタート時点での学力が高ければ高いほど有利なのは間違いありません。ただし、そうだとしてもその後Cのような曲線をたどれば志望校合格とはならないでしょう








各生徒の勉強の流れと戦略

上記曲線の各生徒の勉強の仕方はどのようなものでしょうか。

■生徒A
スタートから数ヶ月をかけて「勉強の仕方」「基礎」をじっくり身につけ、最後の3、4ヶ月で一気にラストスパートをかけた。「勉強の仕方」や各単元の基礎をしっかり身につけることで、その後の入試レベルの問題の理解度が高まり、後半の伸びが良いのが特徴。注意しなければいけないのがラストスパートに入るタイミングです。このタイミングが遅れるといくら伸びが良くても間に合わない可能性があります。

■生徒B
スタートから1、2ヶ月は「勉強の仕方」や「基礎」を中心に勉強を進め、途中からより実践的な勉強に移っていった。このやりかたでこの曲線になるのは、「基礎」がしっかり身に付いていないまま実践的な内容に入ったからです。入試レベルの問題の理解度が低いまま進むとこの曲線のようになります。

■生徒C
スタートからいきなり実践的な勉強に入った。最初のうちの成績の上がり方は良いですが、「勉強の仕方」「基礎」をまったく身につけないで実践的な勉強に入った結果、理解度が高まらず後半まったく伸びません。暗記にたよって勉強をするとこうなります。独学で勉強する人によく見られる傾向です。また予備校に通っている人の中にも見られます。予備校は厳選された問題を扱い、さらに自校の模試を受けさせるので、前半はそれ以外の受験生に比べ実力よりもいい結果が出やすいです。それで「学力が上がった」と勘違いするのです。

■生徒D
スタート時点ですでに「勉強の仕方」「基礎」が身に付いている状態です。いきなり実践的な内容から入ることができます。この4つの中ではこの曲線が最も良いものであると言えますが、最も理想的なのはスタート時点でD、その後はAのような曲線になることです。








事例と成績推移曲線

上記の事例を成績推移の例に当てはめるとしたらどうなるでしょうか。事例ではスタート地点や志望校の違いがあるので曲線の形だけを見ることにしましょう。

事例①はA、事例②はB、事例③はC、事例④はA、事例⑤はD、事例⑥はA、となります。どの事例もポテンシャルを最大限引き出せたという意味では私としては「良い成果が出た」と言えます。それと最終的に志望校に合格したかはあまり関係がありません。もちろんそのどちらも満たしている事例⑤は中でも特に良い成果と言えるでしょう。








事例とその分析からわかること


これらの事例から志望校に合格する可能性を少しでも高めるためのポイントが見えてきます。

①自分のレベルを正しく把握する
②より良い「勉強の仕方」を身につける
③「スタミナ」をつける
④国語力をつける
⑤1科目以上強い受験科目をつくる
⑥早く①〜⑤のことをクリアする
⑦コアとなる科目のレベルを早く上げる
⑧当初の偏差値はその後の伸びに関係ない
⑨通っている高校の偏差値は学力に関係ない
⑩受験開始時期の早さはその後の伸びに関係ない
⑪メンタルの弱さ、頑固さは弱点とは限らない
⑫最初の志望通りにうまくいくことは少ない



偏差値はあまり気にするなということも押さえておいた方がいいでしょう。6つの事例以外にもたくさんの生徒を見てきましたが偏差値は実際の能力とあまり関係ないということが言えます。また模試結果の判定もあまり関係無いでしょう。私は直前の模試でE判定で合格した例をいくつも見てきました。もちろんどちらも一つの指標としては使えるかもしれません。模試の使い方は後述します。


志望校に合格したければ、「その一つ上のレベルの大学に挑戦できる学力を身につけるつもりで勉強すること」もポイントになります。事例⑤がそうですがこの生徒は実は早慶上智も勝負できるかな?くらいのレベルにいました。ですが本人の希望でそれらの大学は受けさせず、上記のような最終結果となりました。ちなみにこの生徒は受験したところは全て合格しています。


「受験勉強は早く始めた方が有利」と言う人もいますが、多くはポイントの⑥だけを基準にしているにすぎません。早く始めれば、遅く始める人に比べて前半は成績が良いのは当たり前です。しかし後半でもそうかと言えば違います。そこには多くの受験生が陥る罠があるのです




これらの12のポイントから導きだされた「受験勉強をいつから始めるか」の回答を次の項目で書きます。











<受験勉強をいつから始めるか 回答編>

以上のことをふまえて「いつから受験勉強を始めれば良いか」という問いに答えるとすれば、「今すぐ」という結論に達します。一般的にも当然のように言われていることですが、ここで議論したことには根拠がしっかりと示されています。そこから見えてきた戦略は「受験勉強をいくつかのターム(期間)に分けて考え、それに従って進んでいく」ということになります。



ターム1:土台

「勉強の仕方」「スタミナ」などを身につける時期です。それらを身につけないまま受験勉強を続けても、受験勉強開始時よりもはるかに高いレベルの志望校に到達することは難しいでしょう。すでにそれらを身につけている人は「受験勉強」からスタートしましょう。小学生レベルからスタートする場合はこの時期だけで数ヶ月かかりますが、上を目指すならここからスタートする価値はあるでしょう。

勉強の仕方についてはこちらを参照 → 大学受験の勉強方法 「第1回 勉強するときのルールを決めよう」



ターム2:基礎

入試レベルの問題を扱うときに理解度を高め効果的・効率的に勉強を進めるために、各単元の基本を徹底的に身につける時期。この時期をおろそかにすると入試レベルの問題を扱う時期で伸び悩むことになります。



ターム3:フレーム(柱)

入試レベルの問題を扱う前に各単元の基本を復習し、バラバラに身につけた知識をより大きな「塊」へ作り変えていく時期です。






受験勉強にはこの3つのターム以降に、より上位のタームが2つあります。それを合わせた5つのタームをしっかり意識し勉強をすることが志望校合格の可能性を高めてくれます。この受験勉強のタームについては次回以降の記事でより詳しく書く予定です。





「いつから受験勉強をはじめるか」について少しだけ目安となるものを書いておきましょう。上記のターム1からスタートすると仮定します。

東大:入試3〜5年前(中2〜高1)
早慶上智:入試15ヶ月〜18ヶ月前(高2・9月〜高2・12月)
MARCH:入試12〜15ヶ月前(高2・12月〜高2・2月)
日東駒専:入試10〜12ヶ月前(高2・2月〜高3・4月)

これらは多分に誤差を含みますが、その理由はすでに見てきた通りなので省略します。






第3回から読みはじめた方は第1回、第2回をあわせて読むと大学受験の勉強方法についてより理解が深まると思いますので、ぜひ読んでみてください。

大学受験の勉強方法 「第1回 勉強するときのルールを決めよう」
大学受験の勉強方法 「第2回 テキストの選び方」









さて今回はここまでですが、どうだったでしょうか。納得いくものもあればそうでないものもあったと思います。いろんな考え方を比べて、より良いと思うものを採用するのがいいと思います。

それではみなさん、せっかくやるのだから楽しく受験勉強していきましょう。






お詫び

第1回や第2回の記事で「第3回で書く予定です」といっていたものの中には今回書けなかったものがあります。それを期待して今回の記事を読んでくれた方にお詫びします。

■模試の使い方
■スケジュール管理
■感覚的な判断基準
■基礎問題集と入試対策問題集の使い分け方

これらについては次回以降の記事で書く予定です。


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[ 2014年04月20日 21:00 ] カテゴリ:勉強方法(大学受験) | TB(0) | CM(0)
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